「自分らしさ」というのは要するにどういう商品を選択するかによって決定されるという物語を日本人みんなが信じ込まされていたわけですから。そういうふうに消費者として生きることをあらゆる社会活動の軸に据えることによって、バブル期の日本においては、市場のビックバンと家族共同体の解体が同時進行した。
--内田樹「若者よマルクスを読もうⅡ」P54