ただ「新しい」だけでは時代を刷新するような力を持ちません。「
--内田樹 「えらてんさんとの対談本の「まえがき」」
ただ「新しい」だけでは時代を刷新するような力を持ちません。「
--内田樹 「えらてんさんとの対談本の「まえがき」」
成功とはつまり、分かち合うことです。あなたがやっとの思いで沼から陸に這いあがることができても、それはまだ成功と呼べません。陸にあがったら後ろふり向いて、まだ沼であえいでいる者に手を差し伸べてごらんなさい。その人を陸に引き上げたとき、初めてそれを成功と呼ぶのです。
—James Brown「松尾潔のメロウな日々」P136
成功の秘訣と言うものは…… 確固として存在します。それは人びとが何を欲しがっているかではなく、真に必要としているものは何かを真剣に考えること。子どもは放っておくと甘いものばかり欲しがりますが、それだけを与えても虫歯になるし、健やかに成長しませんからね。言うなればWANTよりもNEEDを見つめると言うことです。
—James Brown「松尾潔のメロウな日々」P135
「株主の利益」のためには人の暮らしはどうなっても構わないのが今のアメリカ。「国際経済競争に勝つ」ためには人の暮らしはどうなっても構わないのが、韓国や、日本の一部大企業や、一部政治家。すべて同じ構造です。
「復興は人の暮らしのため」、「経済成長はあなたが生きていくため」と言うけれど、あなたが生きていくために、あなたの暮らしを犠牲にしましょうって、それは話がおかしいですよね。「生きるために経済成長しましょう」と言っているうちに、成長の方がいつの間にか目的になって、「経済成長のために生きよう」という主客転倒を起こしているのです。
--藻谷浩介「しなやかな日本列島のつくりかた」P58
郊外農地を開発し、住居と職場と公共施設と大型店をそれぞれ無料駐車場付きで分離させ、移動は全部車で、としてしまった地域からは、起業家が生息できる空間が存在しなくなってしまった。
面白いことにそうした土地からは、文化的なものがなくなっていくんです。モールに並んだ物資を消費して満足している人だけになった地域からは、ユニークな雑貨屋とか、こじゃれたカフェ、尖ったイベントも消えていく。
--藻谷浩介「しなやかな日本列島のつくりかた」P40
朝鮮戦争によって、アメリカはソ連、中国と対決姿勢を強めることになり、日本はアジア、太平洋地域における共産勢力との戦いの最前線に位置づけられた。民主化と非武装化の占領政策から一転して、日本は再軍備させられ、米軍に協力して「反共防波堤」の役割を担わされることになった。アメリカは反共主義者のA級戦犯を政界に復帰させ、傀儡にして日本を操ろうとした。また、反共政策への協力と引き換えに、東南アジアや韓国に対する日本の賠償責任はなし崩しになった。こうした事態を指して、「読売新聞」は「逆コース」と書いた。占領時代が終わっても、危機として占領政策の継続を望む者たちが政権中枢に居座る結果を招いた。かくて、日本はアメリカに国を売る者たちの居心地が最もいい国となったのだった。
--島田雅彦「人類最年長」P199
せっかく仕事するんだったら、楽しくやらなくちゃ。かける手間のひとつひとつに価値が宿るように。つくるプロセスのひとつひとつに驚きとよろこびが満ちるように。
--小倉ヒラク「発酵文化人類学」P332
デザインにおいて、値段付けはものすごくクリエイティブな行為だ。同じプロダクトであっても値段が違うと、買う側の意識が変わる。つまり値段とは「メッセージ」なのであるよ。
--小倉ヒラク「発酵文化人類学」P317