尖閣諸島問題をめぐって米国の軍産複合体にとって最も利益のあるストーリーとは、緊張の昂進に伴って日本の防衛予算が大幅に上昇することであろう。紛争が起きてくれればなおよい。石原(慎太郎)が例の意思表明をした記者会見の席がヘリテージ財団(米国の右派系シンクタンク)であったことは、大いに示唆的である。このような利害に対して、日本の自称ナショナリストたちは、大々的に貢献することを現に欲し、かつ行動しているのである。
--白井聡「永続敗戦論 戦後日本の核心」P76