(1578年、北元のアルタンがチベット仏教の高僧にダライ・ラマの称号を与えた)ダライ・ラマとは「大海のような深い知恵を持つ師」という意味です。ここに今日まで続くダライ・ラマ制度が誕生しました。なお、なぜ「三世」であるかというと、スーナム・ギャッツォがアルタンに対して、「私の前にすでに、立派な僧が二人いましたから、私は三世を名乗らせていただきます」と言ったからです。一世と二世は追贈されたので、チベットのダライ・ラマは、三世が始祖ということになります。
--出口治明「全世界史(下)」P80