「誰にも迷惑かけていないんだから、ほっといてくれよ」と言って、売春したり、ドラッグをやったり、コンビニの前の道路にへたりこんでいる若者たちがいる。
彼らは「人に迷惑をかけない」というのが「社会人として最低のライン」であり、それだけクリアーすれば、それで文句はないだろうと言うロジックをよく使う。
なるほど、それもいいかもしれない。でも、自分自身に「社会人として最低のライン」しか要求しない人間は、当然だけれど、他人からも「社会人として最低の扱い」しか受けることができない。
--内田樹「子どもは判ってくれない」P107