文化をつくるためには「幸せな三角関係」をつくることが大事なことがわかる。作り手と受け手がお互いハッピーになるためには、消費者⇔メーカーの「直線関係」の上に点を置いて三角形にしなければいけないのだよ。
ではその「点」とはなんだろうか。ズバリ、ファッション界における「読モ(読者モデル)」の存在だ。作り手の事情も理解しつつ、受け手の代表として文化の「たしなみかた」を提案するスター。この「読モ」を育てない限り、作り手と受け手は敵対関係としてぶつかり続ける。しかし「読モ」の点を置いて三角形にすると、ぶつかりが解消されてコミニケーションが循環し始める。
--小倉ヒラク「発酵文化人類学」P261