あらゆる仕事には、「誰の分担でもないけれど、誰かがしなければいけない仕事」というものが必ず発生します。誰の分担でもないのだから、やらずに済ますことはできます。でも、誰もそれを引き受けないと、いずれ取り返しのつかないことになる。そういう場合は、「これは本当は誰がやるべき仕事なんだ」ということについて厳密な議論をするよりは、「あ、俺がやっときます」と言って、さっさと済ませてしまえば、何も面倒なことは起こらない。
--内田樹「そのうちなんとかなるだろう」P154