戦後の欧米の福祉国家とは、「過激化する労働運動」という資本にとっての危機を食い止め、懐柔するための手段であった。つまり、福祉国家は労働者中心の社会が組織されていくことを防ぐための方策でした。だからこそ、資本と妥協することにいつも前向きな巨大労組が福祉国家に欠かせない要素として存在していたのです。
--マイケル・ハート「未来への大分岐」P23