実はモンゴルの歴史は、トルコ語やペルシャ語でも大量に残されていたのです。けれども誰も読んでいなかった。これを読み始めたのはソ連の学者です。彼らは中央アジアを領有していたので、中央アジアの歴史を勉強し始めたのです。その内容は、中国語で書かれたものとはかなり違っていました。そのことに世界中が気がついた。そしてペルシャ語やトルコ語で書かれたモンゴル史が読まれ始めたのです。インターネットが普及したことで、研究が飛躍的に進みました。
--出口治明「全世界史(上)」P409