厚労省のデータをみると、日本の医師数は2012年末で30万人だ。だがふたを開けてみると、日本では医師免許を持つ超高齢(100歳を超えた某有名人先生など)の医師や産休中の女性医師も、すべて医師として数えて統計に入れている。
一方アメリカやヨーロッパでは、実際に現役で働いている医師だけを数えて「医師数」を出している。なのに厚労省は〈数え方の違う〉2種類の統計を1つの図に入れて、「欧米の医師と比べて、日本の医師は十分足りている」と言っているのだ。
でも実際に欧米と同じように現役医師数だけで比べてみると、日本は人口あたりの医師数が先進国では低いレベルだ。OECD諸国平均でみて、12万人も足りないのがわかる。
--堤未果「沈みゆく大国アメリカ<逃げ切れ!日本の医療>」P173