就職したら負けだと思って就職しない若者も多いんですけど、逆に言いたいのは「就職したら負けだ」と思わされたら負けだよ、ということです。幸せになる方法はそこではないよ、と。
--岡田斗司夫「評価と贈与の経済学」P173
変な話だけど、人間が評価されるのって尖ったところだよね。バランスのいい人で高く評価される人なんていないですよ。
--鈴木智雄「ニッポンの編曲家」P291
学ぶ機会をシステマティックに退ける人に階層上昇のチャンスは訪れません。「オレは知っている」「オレはできる」「オレは誰にもものを頼まない」「オレは誰にも頭を下げない」ということを生き方の規律にしている人はそうすることによって階層下位に自分を呪縛しているのです。
--内田樹「街場の文体論」P128
「知りません。教えてください。お願いします」。学びという営みを構成しているのは、ぎりぎりまで削ぎ落として言えば、この三つのセンテンスに集約されます。自分の無能の自覚、「メンター」を探り当てる力、「メンター」を「教える気」にさせる礼儀正しさ。その三つが整っていれば、人間は成長できる。一つでも欠けていれば、成長できない。
マジョリティが危ない方向に向かっているとき、生き延びるためには、みんなは「向こう」に行くけど、自分は「こっち」に行った方がいいような気がするという、おのれの直感に従うしかない。そういう危機に対する「センサー」を皆さんには身につけていただきたいとおもうんです。
--内田樹「街場の文体論」P36
ストレスは、脳にとって大敵である。ストレスを軽減するには、簡単な人生の「仕分け」をすれば良い。人生を、自分で努力すればなんとかコントロールできることと、コントロールできないことに分ける。前者についてはベストを尽くす。後者についてはあきらめれば良い。
--茂木健一郎 Tweet
そうだと思ったら何でも本当にやってみることである。徹底してやらねばいけない。そこでこそ理想を描くことができるのであって、社会通念に従って生きていこうなどと思っていて理想など描けるものではない。
--岡 潔「春宵十話」P146
学生たちに最初から集団について教え、集団的に行動する習慣をつけさせれば、数人寄ってディスカッションをしないと物を考えられなくなる。しかしそれでは少なくとも深いことは何一つわからないのだ。
--岡 潔「春宵十話」P105
謙虚でなければ自分より高い水準のものは決してわからない。せいぜい同じ水準か、多分そういう態度でいれば必ず下に落ちてゆくもので、まず上に行くことはない。
--岡 潔「春宵十話」P103
宗教の世界には自他の対立はなく、安息が得られる。しかしまた自他対立のない世界は向上もなく理想もない。人はなぜ向上しなければならないか、と開き直って問われると、いまの私には「いったん向上の道にいそしむ味を覚えれば、それなしには何としても物足りないから」としか答えられないが、向上なく理想もない世界には住めない。だから私は純理性の世界だけでも、また宗教的世界だけでもやっていけず、両方をかね備えた世界で生存し続けるのであろう。
--岡 潔「春宵十話」P60