「株主の利益」のためには人の暮らしはどうなっても構わないのが今のアメリカ。「国際経済競争に勝つ」ためには人の暮らしはどうなっても構わないのが、韓国や、日本の一部大企業や、一部政治家。すべて同じ構造です。
「復興は人の暮らしのため」、「経済成長はあなたが生きていくため」と言うけれど、あなたが生きていくために、あなたの暮らしを犠牲にしましょうって、それは話がおかしいですよね。「生きるために経済成長しましょう」と言っているうちに、成長の方がいつの間にか目的になって、「経済成長のために生きよう」という主客転倒を起こしているのです。
--藻谷浩介「しなやかな日本列島のつくりかた」P58