二人(ド・ゴール(仏)とアデナウアー(独))は、共通の歴史教科書をつくることや、たくさんの姉妹都市を作ることでも合意しました。二つの国の歴史認識が共通であれば、隣国間の紛争は少なくなります。また国境を接している両国の都市が姉妹関係になり日常的な交流が深まれば、争いは起きにくくなります。どちらも忍耐が必要な、時間のかかる仕事です。しかしアデナウアーとド・ゴールは、遠い未来を見つめていました。
--出口治明「全世界史(下)」P401