イスパニア人のカスチリア王国も、ポルトガル王国も、右半分を占めた大陸のわずかな半島先端にしか過ぎなかった。両国を合わせても日本とほぼ同じ大きさだった。イスパニアとポルトガルが、描かれたすべての国々や人を二分して征服し支配できるはずがなかった。秀吉の明国征伐もそうだが、すべての悲惨の種子は誇大な欲望と妄想から発せられる。
--飯嶋和一「星夜航行(下巻)」P396