人々は「あなたには無限の可能性がある」と持ち上げられる一方で、社会的にはさっぱり評価されない。(中略)この高すぎる自己評価と低すぎる外部評価の落差を埋めるために、多くの人々が呪いの言葉に手を出すようになる。他人が傷つくさまや他人の評価が下がるのを見ることで、溜飲を下げる。でも、一度その方向に踏み出すと、もう止まることができなくなります。
内田樹「呪いの時代に」