最初に「ヤノマミ」に出会ったのは、NHKの地上波で放送されたときでした。
たまたまザッピング中に、木にシロアリの巣が吊るされ、雨に濡れている映像が映り(最後の場面)、それがなんだか分からないまま、とにかく心がザワついたのです。
これまたたまたま録画していた友人がいて、DVD-Rを借りて見たところ、そこに衝撃的な事実が描かれていました。生まれた子どもを人間として迎えるのか、精霊として森へ返す(殺す)のか、産んだ母親自身が決めなければならない。
わが子を可愛がるのは教育や文化ではなく、人間の本能としてDNAにプログラムされていると思い込んでいた私は、無理やり目を覚まさせられるような気分になりました。
人間とはいったいなんなのか?
この作品の監督である国分拓の書いた本「ヤノマミ」を読むと、「子殺し」の現場を見て以降、子どもたちを撮影することに傾倒していったことが書かれていました。
生と死が隣り合わせの世界では、生きることがより輝きを増していくのでしょう。
この作品は、ただ特殊な民族を追ったものではなく、人間の生を見事に映し出したドキュメンタリーで、本当に見る価値のある映画です。
「ヤノマミ」の本はこの映像作品の副読本として読むと、より深く楽しめます。なんといっても取材した集落の家族構成まで押さえてあるので、出演するヤノマミ族に親近感がわきます。映像化できない部分や、取材陣の心情も描かれていて必読です。
たまたまザッピング中に、木にシロアリの巣が吊るされ、雨に濡れている映像が映り(最後の場面)、それがなんだか分からないまま、とにかく心がザワついたのです。
これまたたまたま録画していた友人がいて、DVD-Rを借りて見たところ、そこに衝撃的な事実が描かれていました。生まれた子どもを人間として迎えるのか、精霊として森へ返す(殺す)のか、産んだ母親自身が決めなければならない。
わが子を可愛がるのは教育や文化ではなく、人間の本能としてDNAにプログラムされていると思い込んでいた私は、無理やり目を覚まさせられるような気分になりました。
人間とはいったいなんなのか?
そんな重い気分にさせながらも、「ヤノマミ」が心に残って離れなくなってしまいました。
再放送をまた見て、映画館での特別上映にも足を運び、そして今回DVDを手に入れました。
なんで、こんなに「ヤノマミ」に心引かれてしまうのでしょう?
最初は「子殺し」の衝撃が一番の引っかかりでしたが、そのうちヤノマミの子どもたちのいきいきとした瞳や笑顔により心が引かれていることに気付きました。この作品の監督である国分拓の書いた本「ヤノマミ」を読むと、「子殺し」の現場を見て以降、子どもたちを撮影することに傾倒していったことが書かれていました。
生と死が隣り合わせの世界では、生きることがより輝きを増していくのでしょう。
この作品は、ただ特殊な民族を追ったものではなく、人間の生を見事に映し出したドキュメンタリーで、本当に見る価値のある映画です。
「ヤノマミ」の本はこの映像作品の副読本として読むと、より深く楽しめます。なんといっても取材した集落の家族構成まで押さえてあるので、出演するヤノマミ族に親近感がわきます。映像化できない部分や、取材陣の心情も描かれていて必読です。
因みに国分拓は、沢木耕太郎著「イルカと墜落」にも登場し、文庫本のあとがきに素晴らしい文章(劇場公開時のコメントしかり、この人は相当文才があります)を寄せているので興味のある方はぜひご一読を。