一番大事なのは、知識を強化したり増やしたりすることじゃなくて、今の自分の頭の中で作動している推理とか、直観の仕組みそのものをそのつどの情報入力や環境の変化に対応して組み換えて、高度化できる可塑性だと思うんです。
--内田樹「日本の反知性主義」P225
親の欲望、親の抱えていた欠落感って、子どもにダイレクトに伝わりますね。不思議なもので、「親が持っているもの」はそれほど遺伝しないんだけども、「親が持ってなくて、欲しがっていたもの」って、子どもにそのまま遺伝する。
--内田樹「日本の反知性主義」P204
ひとが「ふるえる」のは、自分が長い時間の流れの中において、「いるべきときに、いるべきところにいて、なすべきことをしている」という実感を得たときである。
--内田樹「日本の反知性主義」P35
何かを真に征服する唯一の方法とは、愛することなのだ。
--クリストファー・マクドゥーガル「BORN TO RUN 走るために生まれた」P176
おまえの心にはふたりの女神がいる。知恵の女神と富の女神だ。みんな、先に富を手に入れれば、知恵もついてくると考える。それで金儲けに血眼になる。しかし、それではあべこべだ。知恵の女神に心をささげ、愛し、気持ちを向ければ、富の女神が嫉妬して、お前を追いかけてくる。
--ジョー・ヴィヒル「BORN TO RUN 走るために生まれた」P134
人間の身体はリアルタイムで動いているのではない。ちょうどリールが釣り糸を巻き込むように、「未来」が「現在」を巻き取るような仕方で動くのである。私たちは、輪郭の鮮明な「未来像」をいわば「青写真」に見立てて、その下絵のとおりに時間をトレースしてゆく。だから、ネガティヴな未来像を繰り返し想像する習慣のある人間は、その想像の実現に向かってまっすぐ突き進んでゆくことになる。
--内田樹「街場の現代思想」P173
知性というのは「自分の愚かさ」に他人に指摘されるより先に気づく能力のことであって、自分の正しさをいついかなる場合でも言い立てる能力のことではない。
--内田樹「街場の現代思想」P122
自分の得意な事や苦労して手に入れたものに頼るとどんどん保守的になり世界が小さくなり次第にその環境に飽き自分にも飽きていく。苦手なことや体質に合わないことが自分を拡張してくれるもんです。
--山田うん
基本的に配偶者は「謎の人」だということですよね。お互いに。そして、その謎を解明しようとないこと。
--内田樹「内田さんに聞いてみた「正しいオヤジ」になる方法」P123
自分の身体能力を高めることで受益する人が自分以外にもいると思ったほうが人間の能力は高まる。
--内田樹「内田さんに聞いてみた「正しいオヤジ」になる方法」P78