大体今の子どもで苦しんでるのは、いい子でいようとして自分の悩みを奥底に封印しちゃうっていうパターンが多いね。
--細野晴臣「分福茶釜」P190
苦し紛れにお願いごとをするのが祈りじゃないんだ。「もう治った」って信じることなんだよ、祈りっていうのは。「もう治った、ありがとう」って。そういう感覚なんだ。「努々(ゆめゆめ)疑う事なかれ」っていうことだよ。
--細野晴臣「分福茶釜」P142
年をとってきて脳が老化してくると、自意識も低下してくるし、それで随分楽になるんだよね。いい具合にいい加減になってくる。それがちょうどいい。不死の世界っていうのは、きっと苦しみの世界だと思うんだ。あらゆる生きものはみんな生まれて死んでいくわけだから、それに沿っていくのが一番の幸せだと思う。
--細野晴臣「分福茶釜」P131
なかには頑固な人や偏狭な人もいるけど、そういう人は年のとり方を間違えたってことで、本来は自然に年をとれば知恵がつく。ところが最近の老人はちゃんと年をとれていないから。本人も自分を老人と思わずに若者になろうとする。年をとれないのが当たり前になってきて、世の中にも年寄りの境地ってものが用意されていないから、そのノウハウが途切れちゃっているんだ。
--細野晴臣「分福茶釜」P54
年をとると楽になる。これは年とって一番楽しいこと。気持ちよくなってくる。悪くないよ、年をとるのも。ホントに。
--細野晴臣「分福茶釜」P21
人は未来が見えなくなると過去にこだわるようになるんだ。過去ってのは膨大な知識と技術の集積があるわけだから、そこにクビを突っ込んだらいろんなモノが汲み取れるでしょ?それはありがたいことなんだけれども、そこには薀蓄の塊があるからそれを身につけちゃえばわりと重厚な人になれるんだよ。年をとったら大体はそこに向かうんだけど、それはぼくには関係ない。それはね、未来があるからだよ。
--細野晴臣「分福茶釜」P17
人それぞれに使命がある。使命を得るためには自分の与えられた仕事を一生懸命、真心を込めてやらなきゃいけない。金儲けでやったりしたらダメだ。そして、不正義と戦い、道をまっすぐ進む。それによって使命感が湧く。
--佐々井秀嶺「インド仏教を率いる日本人僧侶の破天荒人生」
今、「自立」というと、経済的に自己完結するということを言っている人が多いように思います。けれども私にとっての自立という言葉は、いろいろな状況下で、それに対して自分の意見が言えるかどうかということだと思います。
--甲野善紀「今までにない職業をつくる」P203
その人とちょっと言葉を交わすだけでも「なぜか元気になる」と人々に言われるような人というのは、プロだと思います。
--甲野善紀「今までにない職業をつくる」P176
便利である、よくできているということに慣れ親しんでいると、そのことがそれ以上の工夫を妨げる原因になっていることがありえるということを、よく心に留めておくべきだと思います。
--甲野善紀「今までにない職業をつくる」P113