どんな道にも「プロ」という名に値する人がおり、またそういう人は、どこか精神が初々しいアマチュアであったりしますから、大変魅力的です。
--甲野善紀「今までにない職業をつくる」P178
その人とちょっと言葉を交わすだけでも「なぜか元気になる」と人々に言われるような人というのは、プロだと思います。
--甲野善紀「今までにない職業をつくる」P176
便利である、よくできているということに慣れ親しんでいると、そのことがそれ以上の工夫を妨げる原因になっていることがありえるということを、よく心に留めておくべきだと思います。
--甲野善紀「今までにない職業をつくる」P113
剣道を学んでいる人で「初心を忘れないように、八段になった今でも毎日、基本どおりに素振りしている」といったことを言う人がいますが「センスがないな」と思います。才能がある人ならば、初心者のころの素振りと現在とでは、素振りの質はまったく違っていると思います。それが「初心と変わらない」というのは、質的な変化が起こっていない証拠。単に振り慣れたというレベルです。「初心忘るるべからず」というのは、物事に取り組む心構えの大事さを言っているのであって、動きではありません。
--甲野善紀 「武」P120
閉鎖環境の中にいる生き物は、いずれ自分が排泄したアンモニアの毒にやられて死ぬことになっている。
--小田嶋隆「その「正義」があぶない」P57
ひとが「ふるえる」のは、自分が長い時間の流れの中において、「いるべきときに、いるべきところにいて、なすべきことをしている」という実感を得たときである。
--内田樹「日本の反知性主義」P35
おまえの心にはふたりの女神がいる。知恵の女神と富の女神だ。みんな、先に富を手に入れれば、知恵もついてくると考える。それで金儲けに血眼になる。しかし、それではあべこべだ。知恵の女神に心をささげ、愛し、気持ちを向ければ、富の女神が嫉妬して、お前を追いかけてくる。
--ジョー・ヴィヒル「BORN TO RUN 走るために生まれた」P134
自分の得意な事や苦労して手に入れたものに頼るとどんどん保守的になり世界が小さくなり次第にその環境に飽き自分にも飽きていく。苦手なことや体質に合わないことが自分を拡張してくれるもんです。
--山田うん
自分の身体能力を高めることで受益する人が自分以外にもいると思ったほうが人間の能力は高まる。
--内田樹「内田さんに聞いてみた「正しいオヤジ」になる方法」P78
ブレークスルーとは、「君ならできる」という師からの外部評価を「私にはできない」という自己評価より上に置くということです。それが自分自身で設定した限界を取り外すということです。「私の限界」を決めるのは他者であると腹をくくることです。
--内田樹「街場の教育論」P156